私の家の場合には建て売りですから、住宅購入時には出来合いの鍵がついていました。
今から、約三十年前の話です。
都市部を囲むかのように各地にできた郊外の住宅団地の一つです。
越す前は、社宅住まいでしたので、鍵の交換と言う経験はありませんでしたが、その頃からですか、そうした新興住宅地を狙っての空き巣の犯罪が増えるようになったのを思い出します。
自治体の方からも犯罪に注意の広報などともに、鍵への備えとか、鍵業者の中にはいろいろな業者がいるから、よく見極めてといった記載があるようになりました。
そして、ちょうど同じころ、警察署の方からも、月に一度ですが、地区ごとの犯罪発生状況(これには交通事故も含みます)が配布されるようになりました。
越した当時の団地の所帯構成はどこのお宅も似通ったもので、ご主人が三十台前後で仕事が忙しい。
また、奥様は専業主婦が多く、まだ小さい子供たちの世話他家事等で忙しかった頃です。
だから、男のいない日中の方が物騒なのですね。
団地と言っても、結構は昼間は静かなのです。
そして、同時期に引っ越した人が多いので、名前まではわからなくとも、顔は知っていると言う仲の人が多いのです。
だから、あまり見かけぬ人が通るとすぐに噂になるくらい。
しかし、自治体の広報とか、警察署からの配布物では、結構、日中の短い時間、鍵をかけて買い物等に行っている間の小一時間ほどの間に空き巣に入られたと言う事件が多発するようになりました。
そうした対策として、鍵を複数の箇所につけるとか、鍵を空き巣に入られないように、新型の鍵に交換するご家庭が増えてきました。
鍵を複数つけるのは、一つ一つはこれまでとあまり変わらないシステムの鍵なのですが、解錠するまでに時間がかかるというメリットがあるようです。
また、新型の鍵の方は、空き巣の方も、仕事(?)ですから、新しい鍵に対する勉強を怠らないようですが、鍵作りのメーカーとの知恵比べになります。
そうなると、結構、複数の鍵をつけるにしても、鍵の交換にしても結構な費用になった記憶があります。
また、何かの急な用事で、家をしばらく留守にする時には、隣近所に声をかけて行きますが、そこは自己責任の問題ですので、玄関だけではなく、侵入が可能な場所は雨戸を閉め、ロックをかけるとか、雨戸のない窓の部分には、窓用のロックキーというものが単品で販売されていましたので、鍵交換の折に業者さんから必要な個数を購入して、結構面倒ですが、家じゅうの鍵ロックを点検してから家を留守にしたものです。
いわば、備えあれば憂いなしというところです。
今では、普通の鍵以外に、暗証番号でロックするタイプとか、声紋認証キー、これでも不安な方は、鍵の交換にとどまらず、警備会社との委託契約をやっておられる方も増えてきたなと言うのが実感です。